歯科医師国家試験と研修医制度。歯科医への長い道のり   

前回の記事に、医療関係者からメールを多くいただきました。ありがとうございました。コメント書いてくださった平太郎さんやトンプソンさんもありがとうございました。

 なんだか、このままノー天気なねたも、もったいなくて、ちょっと関連記事を書きます。

 歯科医になる人が、少し減ってきた、といっても国公立は結構な倍率です。今のご時勢、フリーターになるよりは、悪いといってもまだいいのでは?と言って受験する人もいるでしょうが、まったく歯科業界のことを知らず、昔のイメージで受ける人も多いのが現実です。

 世間は、さまざまな、医療事故や医療ミスなどの報道に、歯科医にも、より高く安全な技術を望むようになりました。その結果、6年制の歯科大を卒業しても、1年以上の研修医制度を義務付けました。

 というと、いいことだ、と思うでしょう!
 しかし、現実は、というと、今まで開業医のもとで、いうなれば現場主義、たたき上げの修行をしていた新米ドクターが、研修医の数に比べると、患者さんも少なく、指導者も少ない大学に足止めをくらうようになりました。もちろん、昔も大学に残る人はいましたが、数のバランスがとれていました。

 スタッフ30人に、一日の患者さん30人と言うようなアンバランスな環境も若い研修医の先生から耳にしていました。手先の技の歯科医にもかかわらず、まるで内科医?みたいな研修内容だったりするのです。
 それによって、結局現場に出るまでに、たんなるモラトリアム、足止め、に終わったりする状況も生み出してしまい、とくに、女医さんなどは、一人前になるのがずっと遅くなって、早々に結婚してうっかり家庭に入ったりしたら最後、現場力をつける前に永遠にライセンスを生かさずにおわってしまう結果になったりします。

 それに、大学に研修医があふれるようになると、当の学生さんに今度はとばっちりが来て、彼らが見せてもらえる患者さんは、エベレスト山頂の酸素みたいに希薄な数となります。研修医の先生が取り巻く治療椅子を、まるで立ち見よろしく、はるかかなたから見る歯学生。 そのため、ますます現場は遠し・・・

 これが、現実です。(後輩の歯科学生から聞いた愚痴をもとに書きましたので、すべての研修医制度がそうではないかもしれません。) でも、マスコミなどで、話だけ聞いて想像する世界とはかなり違っているのは確かです。・・政府のいつもの、建前政策。

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それに、最近では、歯科医師過剰を危惧した厚労省により、歯科医師国家試験は、意地悪な問題に満ちて、合格率は、国公立でさえ、70パーセント前後とか。
 全体的にできていても、どぼん問題なるものが、不合格の地雷として組み込まれているそうです。私たちの頃は、合格率は国公立ならほぼ95パーセント以上、もともとお勉強熱心な人たちが、きちんとまじめにやっていれば、未来はひらけていました。
 その頃だって、どんくさい私など、一生懸命勉強しても受かるか不安な難易度だったのに、もうふり落とし以外何ものでもない最近の状況は、まさに、赤穂浪士みたいな、出口のない、浪人生活の若者を生み出しているようです。

 国家の税金を使って歯科医を養成したものの、出口で振り落とす。学生は、甘い言葉で厚労省とマスコミにだまされて、歯科大学に入ったものの、出口で切られ、出たところで足止めされ、やっと一人前になったら、今度は診療報酬不払い・・・・(最低賃金さえ捻出してこない医療報酬は、労働に対する不払いといえます)。なんとまあ、気の毒な・・・。それでも、技術を磨いて、良い保険外収入などを提供しながら、生きがいもあって、そこそこの暮らしも手に入れていける方もおられると思いますが、なかなかに甘くはありません。

 果たして、先輩歯科医は、後輩の歯科学生とおしゃべりするチャンスがあると、、
「君たちはかわいそうだね~、」と哀悼の言葉をもらし、よく意味が飲み込めない歯科医の卵は、きょとんと、人事のように先輩の顔見つめる、といったお決まりのシーンに出会うのでありました。やがて、彼らもことの次第をを少しずつ理解しながら、顔に深いしわをきざんでいくのでありますよ。

 ま、日々一生懸命目の前の仕事に打ち込み、矛盾も何も、考える暇もなく、時が過ぎていく。でも、時には、患者さんや歯科界のために、こうして、ブログに愚痴ってしまうわたくしなのでした。
  
       また、次は明るい話題でいきましょうか。

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by urakawasika | 2010-04-09 23:54 | 医療人ねた | Comments(7)

Commented by Thompsons at 2010-04-10 14:28
そうですよね、よく考える歯医者さんって職人さんのようなものですもんね。

一人前になるためには座学による知識も大切だと思いますが、それ以上に場数が必要というのは、職人さんに共通したことだと思います。

座学ばかりの政治家や官僚は自分たちがそういう経験をしてないから、わからないのでしょう。

もちろん、政治家さんも場数は必要でしょうね。マスコミを切り抜ける場数や国民を騙す場数。。。そういった、”場数”を踏んだ人が日本を切り盛りしていると思うと、うんざりしますね(^_^;)
Commented by urakawasika at 2010-04-11 00:40
 本当に職人です。でも、サービス業(笑)職人に徹してむすっとしててはやってられないで~す。スマ~イル!
 ”座学” 的を得てます。日本は、どの業界においても、ペーパードライバーが、F1ドライバーや、タクシードライバーよりえらい立場にいますよね。F1ドライバーに向かって、ハンドルはこう切るのじゃ!とえらそうに指導してるかんじ。
 
Commented by Thompsons at 2010-04-12 22:19
確かに”考え方”は重要ですよね。

でも、まず国の経営者である政治家や官僚が政策に失敗しているわけですから、彼らが最初に責任を取るのがスジだと思います。

自民から民主というのはそのひとつの”責任”なのかもしれませんが、それは官僚の責任逃れのようにも思います。

議員の数や官僚の質、、、一番見直さなければならないことが、ないがしろにされているイメージがあります。

官僚の質と言いましたが、質というのは個人的にはもっと多様性を持たせた方が良いという意味です。

同じような経歴、背景をもった人がいくら集まったとしても、出る答えは似たようなものです。。。

自分たちの身を守ったうえでの政策ではなく、自分たちの身を削ったうえでの政策。。。

国がこれだけ頑張ってるんだから、我々も協力しなければ!というような気持ちに国民をさせることが出来れば、さまざまな分野からの政策に対するバッシングも減少するような気がします。
Commented by ゆりしゃん  at 2010-04-13 21:24 x
医者も歯医者も世間が思うより大変です。新臨床研修制度が医師も8年前から始まり2年間は研修医は各科をローテートします。ぎりぎり私は今の研修医制度ではなく、旧来のストレート入局でした.責任の重さ、費やした時間と労力、日々知識や治療法、技術、器械も進歩してそれを勉強、習得しなければなりません。夜間の当直、オンコールの呼び出し、クレーマーのような患者さん 私の研修医の頃の給料は10万円台。時間外などつけれませんし、朝7時ごろに来て、夜中は12時超えるような毎日が続き、労働基準法の就業時間など守れるはずもなく、皆仕方がないと思って、現場はだれも文句も言わず働いています。大学病院ではスタッフも多いですし、なかなか検査や外来などさせてもらえません。手厚い教えや研究ができるというメリットもありますが、やはり患者さんをみてなんぼ、検査をしてなんぼの世界ですから、実践で外病院にでて色々学ぶものです。幸先生のように子育てもして家庭も築かれて仕事もバリバリされるのは、本当に大変なことです。早くに家庭にはいってしまうと、その後の復帰は難しいですし、仕事を必死になってしていると、適齢期をすぎてしまったり 女医さんは大変です。
Commented by urakawasika at 2010-04-14 00:33
トンプソンさん、コメントありがとうございます。官僚制度って、やっぱり、もっと変えたほうがいいですよね。
 とけっこうみんな思っているのですが、何しろ、彼らが許認可権というものをすべてにおいて掌握しているので、ものすごい権力の権化になっています。
 現場は、ここ数十年、書き物の義務だけ膨大にふくらみ、本当に、診療をどれほど妨害していることか。その時間があれば、もっと患者さんによくしてあげられるのに・・・・。患者さんにへたくそな治療をしても、彼らは何にも言いませんが書類の不備があると、診療所さえつぶすことは簡単です。
 そういうことがあまりに、世間に知られてない。官僚の監査、とかそういうものを、金科玉条のように検証せずに信じて書くマスコミ・・彼らへの監査機構がない、というのは本当に問題なのです。

 民が、官を監査するシステムができるといいと思っています。

たぶん、どの業界に行っても、官の横暴は横たわっているにちがいありません。為政者さえもおびやかしているのでしょう。

 
Commented by urakawasika at 2010-04-14 00:58
ゆりしゃん、そうですか。医科もやっぱり崩壊してますね。
日本の医療現場の人たちはとっても忍耐強いですよね。
赤ひげ精神に満ちています。

でも、それにたよっていたのでは、システムとしてすでに崩壊しています。

きっとこれから、色々なものを保険からはずして、アメリカ並みの、映画”シッコ”の世界に突入していくのだという意見が私たち業界のおおかたの意見のようです。
やがて、アメリカから医療保険が入ってきて、健康保険だけではまともな治療はできなくなるでしょう。これは、小泉政権時、200億円の医療費を切っていったせいです。それまでだって、医療人の忍耐でもっていたのに、とうとうそれさえ、という状態になったのです。

アメリカに、お金をどんどん流し、健康保険の国家負担分を、全部ひきあげ、さらに、また切る。

そして、日本は医療費はかかりすぎだと宣伝する・・・
医療を産業としてみたときに、なんとパチンコ業界と同じ産業規模ということを知っていましたか?GNPに占める医療費は先進国最低レベルなのですよ。

いかに、マスコミというしろものが、政府の広報か、わかるでしょう。
Commented by urakawasika at 2010-04-14 01:00
政策ひとつで、日本の医療は外貨だって稼げる。こんな最低の条件でも、すぐれた医療システムを現場の努力でかろうじて守っている・・・それを、生かすどころか、手足をしばって、さらにいたぶるようなことをお上はしている。
 残念ですね。

女医さんの仕事としては、とくに外科系はおすすめできない世界になっています。

 うつ病になった友達がいました。でも、なかなか私たちは横のつながりをもって活動しません。赤ひげ思想をたたきこまれているのでしょうか?
 でもこれからは、どんどんインフォメーションしましょう。
キャンペーンガールということで。うふふ・・

 医者にも人権があるし、やっぱり患者さんにありがとうと言ってもらえる幸せもあります。バニーガールになりましょう!

うわ!ちょっと映像が出てきてきもかった!

 女医さん!ファイト!

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