歯科医師国家試験と研修医制度。歯科医への長い道のり
2010年 04月 09日
前回の記事に、医療関係者からメールを多くいただきました。ありがとうございました。コメント書いてくださった平太郎さんやトンプソンさんもありがとうございました。
なんだか、このままノー天気なねたも、もったいなくて、ちょっと関連記事を書きます。
歯科医になる人が、少し減ってきた、といっても国公立は結構な倍率です。今のご時勢、フリーターになるよりは、悪いといってもまだいいのでは?と言って受験する人もいるでしょうが、まったく歯科業界のことを知らず、昔のイメージで受ける人も多いのが現実です。
世間は、さまざまな、医療事故や医療ミスなどの報道に、歯科医にも、より高く安全な技術を望むようになりました。その結果、6年制の歯科大を卒業しても、1年以上の研修医制度を義務付けました。
というと、いいことだ、と思うでしょう!
しかし、現実は、というと、今まで開業医のもとで、いうなれば現場主義、たたき上げの修行をしていた新米ドクターが、研修医の数に比べると、患者さんも少なく、指導者も少ない大学に足止めをくらうようになりました。もちろん、昔も大学に残る人はいましたが、数のバランスがとれていました。
スタッフ30人に、一日の患者さん30人と言うようなアンバランスな環境も若い研修医の先生から耳にしていました。手先の技の歯科医にもかかわらず、まるで内科医?みたいな研修内容だったりするのです。
それによって、結局現場に出るまでに、たんなるモラトリアム、足止め、に終わったりする状況も生み出してしまい、とくに、女医さんなどは、一人前になるのがずっと遅くなって、早々に結婚してうっかり家庭に入ったりしたら最後、現場力をつける前に永遠にライセンスを生かさずにおわってしまう結果になったりします。
それに、大学に研修医があふれるようになると、当の学生さんに今度はとばっちりが来て、彼らが見せてもらえる患者さんは、エベレスト山頂の酸素みたいに希薄な数となります。研修医の先生が取り巻く治療椅子を、まるで立ち見よろしく、はるかかなたから見る歯学生。 そのため、ますます現場は遠し・・・
これが、現実です。(後輩の歯科学生から聞いた愚痴をもとに書きましたので、すべての研修医制度がそうではないかもしれません。) でも、マスコミなどで、話だけ聞いて想像する世界とはかなり違っているのは確かです。・・政府のいつもの、建前政策。
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それに、最近では、歯科医師過剰を危惧した厚労省により、歯科医師国家試験は、意地悪な問題に満ちて、合格率は、国公立でさえ、70パーセント前後とか。
全体的にできていても、どぼん問題なるものが、不合格の地雷として組み込まれているそうです。私たちの頃は、合格率は国公立ならほぼ95パーセント以上、もともとお勉強熱心な人たちが、きちんとまじめにやっていれば、未来はひらけていました。
その頃だって、どんくさい私など、一生懸命勉強しても受かるか不安な難易度だったのに、もうふり落とし以外何ものでもない最近の状況は、まさに、赤穂浪士みたいな、出口のない、浪人生活の若者を生み出しているようです。
国家の税金を使って歯科医を養成したものの、出口で振り落とす。学生は、甘い言葉で厚労省とマスコミにだまされて、歯科大学に入ったものの、出口で切られ、出たところで足止めされ、やっと一人前になったら、今度は診療報酬不払い・・・・(最低賃金さえ捻出してこない医療報酬は、労働に対する不払いといえます)。なんとまあ、気の毒な・・・。それでも、技術を磨いて、良い保険外収入などを提供しながら、生きがいもあって、そこそこの暮らしも手に入れていける方もおられると思いますが、なかなかに甘くはありません。
果たして、先輩歯科医は、後輩の歯科学生とおしゃべりするチャンスがあると、、
「君たちはかわいそうだね~、」と哀悼の言葉をもらし、よく意味が飲み込めない歯科医の卵は、きょとんと、人事のように先輩の顔見つめる、といったお決まりのシーンに出会うのでありました。やがて、彼らもことの次第をを少しずつ理解しながら、顔に深いしわをきざんでいくのでありますよ。
ま、日々一生懸命目の前の仕事に打ち込み、矛盾も何も、考える暇もなく、時が過ぎていく。でも、時には、患者さんや歯科界のために、こうして、ブログに愚痴ってしまうわたくしなのでした。
また、次は明るい話題でいきましょうか。
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世間は、さまざまな、医療事故や医療ミスなどの報道に、歯科医にも、より高く安全な技術を望むようになりました。その結果、6年制の歯科大を卒業しても、1年以上の研修医制度を義務付けました。
というと、いいことだ、と思うでしょう!
しかし、現実は、というと、今まで開業医のもとで、いうなれば現場主義、たたき上げの修行をしていた新米ドクターが、研修医の数に比べると、患者さんも少なく、指導者も少ない大学に足止めをくらうようになりました。もちろん、昔も大学に残る人はいましたが、数のバランスがとれていました。
スタッフ30人に、一日の患者さん30人と言うようなアンバランスな環境も若い研修医の先生から耳にしていました。手先の技の歯科医にもかかわらず、まるで内科医?みたいな研修内容だったりするのです。
それによって、結局現場に出るまでに、たんなるモラトリアム、足止め、に終わったりする状況も生み出してしまい、とくに、女医さんなどは、一人前になるのがずっと遅くなって、早々に結婚してうっかり家庭に入ったりしたら最後、現場力をつける前に永遠にライセンスを生かさずにおわってしまう結果になったりします。
それに、大学に研修医があふれるようになると、当の学生さんに今度はとばっちりが来て、彼らが見せてもらえる患者さんは、エベレスト山頂の酸素みたいに希薄な数となります。研修医の先生が取り巻く治療椅子を、まるで立ち見よろしく、はるかかなたから見る歯学生。 そのため、ますます現場は遠し・・・
これが、現実です。(後輩の歯科学生から聞いた愚痴をもとに書きましたので、すべての研修医制度がそうではないかもしれません。) でも、マスコミなどで、話だけ聞いて想像する世界とはかなり違っているのは確かです。・・政府のいつもの、建前政策。
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それに、最近では、歯科医師過剰を危惧した厚労省により、歯科医師国家試験は、意地悪な問題に満ちて、合格率は、国公立でさえ、70パーセント前後とか。
全体的にできていても、どぼん問題なるものが、不合格の地雷として組み込まれているそうです。私たちの頃は、合格率は国公立ならほぼ95パーセント以上、もともとお勉強熱心な人たちが、きちんとまじめにやっていれば、未来はひらけていました。
その頃だって、どんくさい私など、一生懸命勉強しても受かるか不安な難易度だったのに、もうふり落とし以外何ものでもない最近の状況は、まさに、赤穂浪士みたいな、出口のない、浪人生活の若者を生み出しているようです。
国家の税金を使って歯科医を養成したものの、出口で振り落とす。学生は、甘い言葉で厚労省とマスコミにだまされて、歯科大学に入ったものの、出口で切られ、出たところで足止めされ、やっと一人前になったら、今度は診療報酬不払い・・・・(最低賃金さえ捻出してこない医療報酬は、労働に対する不払いといえます)。なんとまあ、気の毒な・・・。それでも、技術を磨いて、良い保険外収入などを提供しながら、生きがいもあって、そこそこの暮らしも手に入れていける方もおられると思いますが、なかなかに甘くはありません。
果たして、先輩歯科医は、後輩の歯科学生とおしゃべりするチャンスがあると、、
「君たちはかわいそうだね~、」と哀悼の言葉をもらし、よく意味が飲み込めない歯科医の卵は、きょとんと、人事のように先輩の顔見つめる、といったお決まりのシーンに出会うのでありました。やがて、彼らもことの次第をを少しずつ理解しながら、顔に深いしわをきざんでいくのでありますよ。
ま、日々一生懸命目の前の仕事に打ち込み、矛盾も何も、考える暇もなく、時が過ぎていく。でも、時には、患者さんや歯科界のために、こうして、ブログに愚痴ってしまうわたくしなのでした。
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by urakawasika | 2010-04-09 23:54 | 医療人ねた