カテゴリ:医療人ねた( 9 )   

トヨタが作ったガムメタルというすご~い金属   

 
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トヨタ自動車がすごい金属を作りました。その名は、ガムメタル。はやりのレアアースなるものもふんだんに取り入れて、金属なのに柔らかく、でも、しっかりもとにもどる弾性をそなえた風変わりな金属のようです。

 たとえば、いくつか、同じような性質の今までの金属をならべて、びよよ~ん、とはじくと、ガムメタルだけ、ず~っと、びよんびよんはじき続けているそうです。その弾力を利用して、クルム伊達にすごいラケットを作り、石川遼君に良く飛ぶクラブも作ったそうです。
 さて、そのメタルを使った矯正用のワイヤーが歯科業界をにぎわしています。専門的なことは割愛しますが、ま、とにかく、今までにないワイヤーで、使い方もまだ今からといったところです。
 でも、弾力があって、患者さんの治療が痛くなくなったり、治療期間が短縮できたり、上手に使うと、可能性がぐ~んと広がるようです。
 最近、さち先生も、ガムメタルワイヤーを使いこなすべく、セミナーに参加したり、従来のワイヤーをこれにかえてみたりしています。もちろん、なかなか良い手応えです。

 さて、このワイヤーの開発秘話をご紹介しましょう。
トヨタをもう少しで引退という技術者が、会社に言われたそうです。
「今までご苦労様でした。さあ、これからは、あなたの好きなものを開発していいですよ」
自動車メーカーだから、いつも堅くて強い物なんていうオーダーが多かったのですが、彼は、その言葉に奮起しました。金属らしからぬ金属を作ってやろう!

 そうして生まれたのがこのガムメタルだそうです。

 この金属、歯科業界だけでなく、めがねにも使ったりしているそうですが、まだまだ未知数。色んな業界に旋風をおこしていくかもしれません。

 「諸君!、自分の好きなように仕事をしていいよ」

案外社員はすごいことをするものかもしれませんね~。


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by urakawasika | 2011-06-07 20:18 | 医療人ねた | Comments(4)

患者になりました。その2 ”高層のサナトリウム”   

 もちろんサナトリウムに入っているわけではないけど、”サナトリウム”というのは、結核療養所という言葉からどんどん一人歩きして、しばらく浮世を離れて肉体をリセットする保養所のような意味合いを帯びています。
 さながら、私もそういう気分で近代的な病院の、海の見える9階に居場所をもらっています。
 この部屋には、ただで、眼下に博多湾が広がる絶景がついています。能古の島も見えます。今日は久しぶりの雨。雨の風景もたまにはいい。反対側の部屋をのぞくと、雑多な街のたたずまいが、ビルの高低によってリズミカルに味付けされ、にぎやかに広がっているので、私の部屋とするとかなり雰囲気が違います。
 ま、こっちでラッキーと思うんですが

 しかし、高層マンションに住んだことのない田舎ものの私は、ここにいると”高い所”というのが、実は哲学的な意味をもっているのではないか、と感じ始めたのです。
 広々と海へ続く視線を遊ばせていると、なんとも、心の視線まで広角になるような気がしてくるのです。私というちっぽけな存在が、たとえば、悩んだり、逆に喜んだり、あるいは、すごく高慢になったり、私にとっては、嵐のような感情の波であっても、なんとちっぽけで、とるにたらないことだったのだろうという思考法が、自然と生まれてくる。

 まあ、日ごろは、せいぜい診療室は2階だし、自宅だって田舎の一軒屋。高い所なんて縁がありませんもので、自分のいる物理的高低によって、思考法がかわるなどとは、考えもしませんでしたが。
 とにかく、普段、低層エリアでいそがしく暮らしている時と、思考の切り口が違うんですね。お茶碗をおはしでせっせとつついているのが、まるで、ボールとおしゃもじに変わったくらい違う。
 
 なんだか、高いお金を出して、マンションの割高な高層階を手に入れる人たちの、気持ちも少しわかったような気がしました。

 それに、バベルの塔にシンボライズされるように、人類がなぜ、高く高く建造物を積み上げたかったか、ということも・・・なんとなく、わかったような・・(ま、以前よりは、ってことですけれど)

 また、退院すれば、低層エリアできわめて雑多な暮らしが始まるのですが、この高層エリアにおけるちょっとした高邁で、広大な思考を、せめて十分に満喫することにしましょう・・・

 あ、それから、高層マンションの高層階にお住まいの方に聞くところによると、”慣れちゃう。”ということなので、ひとえに、これは、短期滞在型サナトリウム効果が加味されてのことかもしれません。

 

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by urakawasika | 2010-11-22 13:46 | 医療人ねた | Comments(8)

患者になりました   

 まあ、こういう時にブログを更新するというのも、微妙に不謹慎な気もするけれど、そういうことが可能なのだからしかたがない。
 というのも、私は今週はじめに網膜剥離をおこしてしまい、某国立病院眼科に受診とともに、緊急入院になってしまった。2年前にも、実は反対側で同じことをやって、その時もここの名医のE先生に執刀してもらっている。ま、ベテラン患者なのである。前回も、剥離をなおしていただいて、おまけに、といっちゃなんだが、新品の眼内レンズを入れてもらって、世の中が妙に明るくなって出所した(?)。

 受診する前から、微妙に左目の視界に現れた墨汁のうすいしみのような影に、ほぼ、網膜剥離に違いないと確信していた。そのあとの心配は、あのE先生が即座に執刀くださる段取りがつくかどうか・・・であった。たとえば、オペがたてこんで突然舞い込んできた緊急の患者が、うまいこと入る隙がなかったり、ドクター学会により不在・・・なんて妙に星のめぐりが悪い時というのが、台風の目のように、あったりするのだ。

 まあ、そういうところにたまたま当たったら、日ごろの行いでが悪かったとあきらめるしかない・・・。ま、そういうものだ。しかし、幸運にも、E先生はいつもどおりいらっしゃって、オペがぎっしりたてこんでいる中、ひとつだけなら、明日、オペを入れられると言われた。

 あたしの日ごろの行いがいいってことだ。(冗談です)

 まあ、手術は、というと、ほとんどスプラッタ映画みたいです。
 黒目横を切って、中の水をぬいて、網膜のだらっとはげたところを、上手な内装工事みたいにレーザー溶接します(溶接じゃないと思うけど)。あとは、特殊な気体を”ぱん”とつめて、よくくっつくまで安静にしてゆっくり待つ。
 ま、わかりやすく書けばこんなところでしょうか。

手術中身動きとれない体勢で長時間がまんしていたので、途中過換気をおこしてしまう、というわれながら恥ずかしい場面もありましたが、無事成功していただいて、今は、のんびり、片目で、病院内を、少しうろうろできるようになりました。

 来週はじめの退院まで、うらかわ歯科の患者さんにはご迷惑かけますけれど、いたしかたなし。ブログを借りてお詫び申し上げます。(来週末には復帰します。)

 というわけで、世が世なら、失明を余儀なくされる運命から救い出されて、おまけに、やさしいスタッフの皆様が至れり尽くせり・・・なんと幸せなんだろう、と自分をとりまく、環境や、時代や、時々のめぐり合わせに、心から感謝しています。なんといっても、日本の医療は本当にすごいです。

 それに、100円を入れると15分使えるインターネットコーナーなんてのがあって、こうやって、国立病院滞在期をしたためている。私は、さながら、”患者様”といったところでしょうか。毎日一生懸命働いている皆様、ちょっと人生のコーヒーブレークをお許しくださいませ。

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by urakawasika | 2010-11-18 14:33 | 医療人ねた | Comments(6)

開業医のお仕事   

 歯科医に限らず、開業医って、診療の他に、経営者というお仕事をしなくてはなりません。これが、なかなかやっかいもので、開業してみると、どうして、大学で何にも教えてくれなんだ~~~!と叫びたくなるくらい、診療以外は知らないことだらけ・・・簿記3級くらいは、カリキュラムに入れてほしかったです。
 でもさすがに、開業して17年も経つと、いっぱしの玄人になっていき、ちょっとした税金のことを始め、あやしい業者さんにひっかからない方法、とか、スタッフの面接で良い方を見分ける野生のカン、など、様々な下世話な技と知識が身に付きます。
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 それで、たまに、大手企業のOLの友人と話したりすると、「へ~、よく知ってるね~」などと驚かれる半面、「苦労してるんだね~」 と哀悼をこめたまなざしを向けられたりします。

 診療時間が、夕方6時半までとなっているわがオフィスも、診療による残業が平均1時間ちょっと。それからが、開業医としての雑用時間が1~2時間。たまにエンドレス。

 その日の日計表をまとめたり、毎日渦高くつまれたDMをいちいち開封して目を通し、しないといけない雑用をこなします。給料日近くになると、スタッフの残業を計算して、税理士さんに渡す資料を作成し、その合間をぬって、治療の計画を立てたりもします。そして、また合間をぬって、自院のホームページを更新してみたり。業者さんに支払いしたり、振込したり。スタッフの面接したり。社労士さんにお願いするまでは、失業保険の手づづきしてあげたりなんてことも、etc・・

 そして、月が変わると、夜遅くまでかかって、診療報酬のいわゆる保険機構への請求書、いわゆるレセプト作り・・・・

 そんなことにまぎれて、うっかり、診療の技術革新も遅れがちになったりしないように、休み返上で勉強会に参加したりもします。

 と前出の大手OLの友人いわく、人雇ったら?

 なるほど、そう言いたいのもわかります。でも、日本の保険医療は、非常に安上がりにできているので、ドクターがあれもこれもこなして、やっと大赤字をまぬかれる、というシステムになっています。一人でやると、膨大だけど、選任スタッフを雇うと赤字になるし、そこまでの量ではない・・・という微妙なところです。それに、どうしても人に頼めない仕事もあります。勤務医だって、事務仕事はいっぱいです。

 それで、いつも思うのは、大きな会社って、直接お金を稼がない部門、たとえば、庶務とか経理とか、人事、とか・・・そういう部門が独立してちゃんとあって、それぞれにお給料が出せる、ってすごいと思います。

 そしてそれを言うなら、開業医は、時に、前線部隊であり、ある時は人事課担当であり、ある時は広報、経理・・・・なんでもやる、まるで、古田選手みたいな感じだな、と思います。

 今日も打って投げて、取って、走って、監督して・・・、あーよく働いた。勤労よ。労働者の汗は尊い!。
こういう仕事につくまで、お医者さんって、患者さんのことだけ一生懸命やっていればいいのかと思っていました。 知らないとはおそろしいことだと思います。

でも、おかげで、もし失業しても、結構色々できるさち先生なのであった。


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by urakawasika | 2010-05-21 01:05 | 医療人ねた | Comments(8)

すみません、また医療ねたで・・・「薬事法と言う手かせ足かせ」   

 すみません。また医療ねたで・・・もう少しお付き合いくださいませ!

 日本の医療メーカーが韓国にすっかり負けてる・・歯科のある材料にいたっては、台湾にさえ・・・というと。えっ?と思いません。

理由”薬事法” です。

現場のお話をしますと、ここ数年、現場から、長年愛用された、すぐれた安い薬や材料の多くが突然消えています。現場は、もうあたふた・・・なんでかな~あ、なんでかな ♪ と材料屋さんに聞いてみたところ、最近のC型肝炎訴訟や、薬害エイズ訴訟などで、すっかり厚労省は及び腰になって、ひとつの薬や材料の認可をとるのに、思いっきりハードルをあげたのです。ほんのささやかな1000円程度の薬でも、認可を更新するのに、何百万円もの経費がかかるような世界になったのです。

 輸入品であれば、海外の優秀な認可機関がOKを出したものでも、独自にまたさまざまなハードルをこえて認可をとらなければならないのです。書類を膨大にそろえることは当然で、それ以外にも、現地工場に、官僚お二人様を会社負担で、ご視察にお連れしなければならないとか。
 ある輸入業者さんの話では、そのもろもろがざっと最低でも500万円なり!
「どうしてこんなに高いの?この材料・・・」と言ったら、そう説明されて納得。

 もちろん、医薬品ですもの、中国雑貨を安く仕入れることとは訳違いますでしょう。ハードルは低くないのは当然ですが、世界レベルでも以上に高い。

 ま、官僚がわにたって言えば、とにかくハードル高くして、これだけやったんだ、といえば、メンツ立ちますし・・・ということでしょう。裁判おこされたって、民のせいでっせ~、と責任回避できます。彼らは、とにかく、責任をとるのが大嫌い。

 そういうわけで、日本の優秀なメーカーも、とうとうあほらしくなって、認可の期限が切れた後は、もう認可取りません、とすねてしまったのです。特にシェアの小さい歯科では、毎月のように、使い慣れた材料が消えてはあたふた・・・実は今日も、開業以来信頼してなじんでいた薬がなくなると宣告されました。安全で良い薬でした。とほほ・・・

 新しい認可という点で言えば、歯科のとある材料など、世界では風邪薬みたいにポピュラーなものになって、次に進化しようか、と言うステージなのに、認可をまったくおろしてくれず、日本で使ってるのがわかると、犯罪者扱です。

 一生懸命新しい材料などに取り組んでがんばっているまじめな先生たちは、外国では、尊敬をもって”せんせー”と呼ばれるものの、国内では犯罪者扱いです。もう学会で発表しようものなら、特攻警察よろしく厚労省の役人が潜んでいて、しょっ引いたりする。

 いつものことですが、官僚の方って、外にへらへら、うちにこわもて、というのが、定番スタイルなのかしら?一生懸命おやりになっていらっしゃるみたいなんだけど・・・


 そういうわけで、医療を産業として、応援している韓国などは、建前ではなくきちんと妥当なところで認可をおろす。

だから、韓国のメーカーにすっかりシェアーを奪われてしまいました。
 もちろん、研究者も、大きなおもりをひきづって、活動させられている日本のそれに比べて、なんと勢いがあることでしょう・・・・

 DV夫をかかえながら、外で仕事をしている妻と、愛をもって後押ししてくれる素敵なダーリンをもって働く妻の違い、そういうニュアンス!

 産業は自動車だけじゃないんだよ!しっかりした認可システムを作って医療という産業を育成したら、きっと日本の医療産業はすごいことをやるにちがいありません。だって、DV夫をかかえながら、けっこうなところいっているんだもの。 やさしい協力的な夫でなくても、普通に邪魔さえしないレベルでも、かなりいけると思う。

日本の不況を巻き返すチャンスさえ作れるかもしれない。
 産業の発展だけではなく、新薬の認可がおりず、私の愛する友人も、乳がんでこの世を去る前に、新薬の認可をおろすために、何か運動できないか模索していました。

皆さん、ご存知でした?

先日C型肝炎訴訟の山口さんとお話することがあったので、そういうことをお話したところ、あきれておられました。私たちはそんなことをしてほしくて訴訟したわけではない、と思われたと思います。当たり前のことがあたりまえになってほしいから、勇気をもって立ち上がったのだと思います。まったく、やれやれ、官はどこまで行っても建前ばかり。

もう、こまっちゃうな~~~。(やまもとりんだになりそうです。やまもと・・知らないか・・)

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by urakawasika | 2010-04-14 02:04 | 医療人ねた | Comments(2)

歯科医師国家試験と研修医制度。歯科医への長い道のり   

前回の記事に、医療関係者からメールを多くいただきました。ありがとうございました。コメント書いてくださった平太郎さんやトンプソンさんもありがとうございました。

 なんだか、このままノー天気なねたも、もったいなくて、ちょっと関連記事を書きます。

 歯科医になる人が、少し減ってきた、といっても国公立は結構な倍率です。今のご時勢、フリーターになるよりは、悪いといってもまだいいのでは?と言って受験する人もいるでしょうが、まったく歯科業界のことを知らず、昔のイメージで受ける人も多いのが現実です。

 世間は、さまざまな、医療事故や医療ミスなどの報道に、歯科医にも、より高く安全な技術を望むようになりました。その結果、6年制の歯科大を卒業しても、1年以上の研修医制度を義務付けました。

 というと、いいことだ、と思うでしょう!
 しかし、現実は、というと、今まで開業医のもとで、いうなれば現場主義、たたき上げの修行をしていた新米ドクターが、研修医の数に比べると、患者さんも少なく、指導者も少ない大学に足止めをくらうようになりました。もちろん、昔も大学に残る人はいましたが、数のバランスがとれていました。

 スタッフ30人に、一日の患者さん30人と言うようなアンバランスな環境も若い研修医の先生から耳にしていました。手先の技の歯科医にもかかわらず、まるで内科医?みたいな研修内容だったりするのです。
 それによって、結局現場に出るまでに、たんなるモラトリアム、足止め、に終わったりする状況も生み出してしまい、とくに、女医さんなどは、一人前になるのがずっと遅くなって、早々に結婚してうっかり家庭に入ったりしたら最後、現場力をつける前に永遠にライセンスを生かさずにおわってしまう結果になったりします。

 それに、大学に研修医があふれるようになると、当の学生さんに今度はとばっちりが来て、彼らが見せてもらえる患者さんは、エベレスト山頂の酸素みたいに希薄な数となります。研修医の先生が取り巻く治療椅子を、まるで立ち見よろしく、はるかかなたから見る歯学生。 そのため、ますます現場は遠し・・・

 これが、現実です。(後輩の歯科学生から聞いた愚痴をもとに書きましたので、すべての研修医制度がそうではないかもしれません。) でも、マスコミなどで、話だけ聞いて想像する世界とはかなり違っているのは確かです。・・政府のいつもの、建前政策。

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by urakawasika | 2010-04-09 23:54 | 医療人ねた | Comments(7)

診療報酬改定、官僚の奴隷のような私たち!   

 「歯科は、値上げされたんでしょう!よかったね。少し経営が楽になるね。」

と、3月の終わりに、一部上場企業のOLをしている友人から電話をいただきました。
私は、はーっとため息。
彼女は、たいした休みのひとつもとれない歯科業界の現状を,かねがね私から聞かされているので、こういう電話をしてくれたのでしょうけど、
実は、歯科の一般の診療所の診療報酬は下がりました。

歯科医になって、真っ先に驚いたのは、私たちの技術に対する国が定めた値段があまりに安いこと。

 抜歯はどうでしょう。説明から、止血、リスクに対する責任。すべて込みで2500円(窓口料金はもっと安いですよね)
麻酔注射は歯科医院持ち出し。所要時間は、ぜ~んぶ込みで40分くらいでしょうか。もっとかかることもありますよ。エステなら、これって、おためし価格になりませんか。

銀歯の型をとるような治療も、麻酔や説明はこちらの持ち出しで、虫歯を削って、深いところを高い材料で保護して、銀歯がひずまないようなうまい形に削っていくところまでが、1200円。これは30年間普遍。(卵より物価の優等生・・とほほ)・・・型とり、かみ合わせの記録、賞味740円
あとは、歯に仮の詰め物をして、とった型にうまく、石膏を流して、それが固まったら、型から石膏をはずして、模型をきれいに処理して、技工士さんにどういうものを作ってほしいか、書類をつくりってお願いする。

この一連の付属する作業はただ。全部入れると一時間はかかるのではないでしょうか・・・。

 私たちは、どんなに赤字になろうが、官僚が、胸先三寸で決めた料金しかいただけません。もちろん、経済アナリスト的なところがやるような、原価計算などされようはずもなく、官僚が、適当に決めているみたいです。

 そして、このたびも、このしょっちゅう日々行われる治療は、何十年も据え置き。何かが、10円あがったとか、下がったとか、適当な数字いじりをして、結局また現場は減収でした。

 そして、2年ごとにころころかわるルールに、診療のほかに、さまざまな事務仕事は膨大になり、仕事が終わると、もうみんなくたくたです。

 みなさん、誰かの歯を2500円で一時間かけて抜歯したいですか?
治療に使う専用の椅子は400万円、器具は事前にすべて滅菌・・・・抜歯はなかなか高度な技術ですよ。
前出の友達が、「あたし、そんなばからしいことやりたくないなあ!」
と言いました。

 おかげで、歯科医療にかかわっている人の多くは、社会保険もなく、退職金もなく、週休二日でもなく、過酷な条件で働いています。もちろん、勤務医の給与などは、400万円あればいとこですね。

 でも、知られてないんです。マスコミが、政府が診療報酬が上がった、と言えば、翌日、上がった、とニュースで流すだけなので、どんなに、下がっても、その事実は伝えられません。今回は下がった、という年などは、医療を、素うどんの値段かなんかと間違ってるんでは?みたいな、世界になります。小泉さんの時代に、やれば、こちらが手出し、みたいな治療が、どれだけふえたことか・・・

 当医院も、残念ながら、保険診療は赤字です。
 患者さんもスタッフも幸せになれるように、一生懸命みんなで努力して、保険診療のレベルも落とさずに、スタッフには、何とか社会保険にも入って、退職金もつみたてて・・・とない知恵しぼっておりますが、診療報酬に反比例して、社会保険料は右肩上がり・・歯科医療に携わっている人たちは、責任のある仕事の割りに、どうなんでしょうか。仕事自体はとってもすきなんですが・・・

 アメリカ政府はあるとき、こんな宣伝をしました。
軍隊の死亡率は、一般社会より低い・・・・
これは、死亡率の低い若者の集団と、老人が含まれる一般の集団を比べて、上手に数字をはじき出したのです。
 歯科医になって、政府というか、官僚たちのやり口の限りを見てきているので、私は政府発表の数字などはあまり信じません。こういう数字を出してきて、今度は国民をどういう方向へ向かわせたいのかな?と思います。

 私たち国民はというと、高い保険料を払って、まともな医療が保険では受けられなくなる方向に、どんどん向かっています。
 医者はもうかっている神話の裏で、本当に、国民の医療をめちゃくちゃにする政策がどんどん進行していることを、本当に憂いています。

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by urakawasika | 2010-04-02 00:14 | 医療人ねた | Comments(11)

看護師さん?看護士さん?    

 
人生折り返しを過ぎてくると、昔とずいぶん違ってきたなあ、と座りが悪い気分になることも多々あります。
ものの呼び方もすっかり変わったりして、記憶の手垢がまったくついていない新しい言葉に引越しせざるをえなくなって、それとともに、概念も別物になってしまったりします。 その一つは、やっぱり 「スチュワーデス 」かなあ・・・

「スチュワーデス」 といえば、やはり、憧れの的です。まず、私たちの年代の女子なら、一度はなりたいと誰かに口走っていると思います。華やかで、美しくて、ゴージャス。 「スチュワーデス」 という言葉には、弾むような輝きがあるとは思いませんか。

 しかしそれも、もはや昔のことで、最近は「キャビンアテンダー」というのに取って代わりました。なぜそうなったのか、私はわかりませんが、なんだか「スチュワーデスさん」と言ってはいけないのかしら?と思うくらい、マスコミでは流れなくなってしまったみたいです。

 それとともに、日航の悲哀が伝えられたりすると、ますます、「スチュワーデス」さんと、「キャビンアテンダー」の間には、深い川があるような・・・決して同じ響きには聞こえません。キャビンアテンダーはスチュワーデスに比べて、どこか、等身大な感じ。さらに、最近の航空不況が裏書きされると、よけいに、イメージはかけ離れてしまいそうでもあります。
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 と言っていると、よその業界だけの話ではないことに気づきました。看護婦さんだってそうです。
 男性の職業としてもそろそろ認識されてくると同時に、看護婦さんから看護士さんへ、なんとそれもクレームが入ったそうで、今や看護さんになりました。
 と、えらそうにうんちくをたれていますが、私もやっと、看護士さんが我が頭に定着した、と思ったら、しっかり T 先生にイエローカードを出されてしまいました。

”看護師” が正解ですよ・・・と。”看護士”の士は医師と同じ師であるべきだ、ということで、2年前くらいに変わったそうです。

 ネットでひいてみたら、ほんとだ!ほとんどが看護師さんになっていました。でも中に、看護士さん、と書いてあるものもあり、
「看護婦さんは女性で、看護士さんは男性をさすことが多かったが、最近では、両方看護師さんと呼ばれている」
 という解説さえもありました。

 あたしだけ、遅れた恥ずかしい医療人か、と思いきや、結構どっちでしょう?と質問すると、
自身たっぶりに「看護士さん」 と書く医療人も多かったです。

何しろ、パソコン社会。字書けませんから、その前の字で、うっ!とつまる人もいて、笑いましたけど。
皆さんご存知でした?

時は流れ、言葉は変わり・・・あっと気づくと、昔と同じものは何もなかった、当の自分さえ。
ロストワールド、ですねえ。

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by urakawasika | 2010-03-19 23:13 | 医療人ねた | Comments(2)

「三流になった日本の医療」 当直明け日勤、これ常識!   

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また先日も、患者さんたらいまわしニュースが流れました。私は、は~とため息。キャスターは、一刀両断に、病院を非難。でも、悪いのは本当に病院なの?
 昔、さち先生は、山口大学の口腔外科に勤めていたので、内情がよくわかります。20年近く前の状況もひどかったけど、さらに、最近はひどくなったようです。


 現場の医者は、病棟の患者さんを担当していると、盆も正月もありません。夜遅くまでステーションにつめていて、やっと終わったかな、と思う頃に、緊急患者さんが運ばれてきて、当直医のお手伝い。そのまま当直状態に入ることもしばしば。家で寝ている新米ドクターをたたき起こすこともあります。
 労働基準法というのは、医者は除外と書いてあるようです。(はは・・)
 でも、あの頃私の月給は15万円でした。もちろん、ボーナスも退職金もありません。
 助手クラスの先生でも、口腔外科はせいぜい、年収600万前後くらいじゃないかったかな~。

 私が安月給で、休む暇なく働いても、山口大学病院は儲かっていたかというと、答えはノー!毎年1億円の赤字を出して、節約節約です。
なぜか?なぜか???一番の根源は、そう、治療費の価格が考えられないほど安いのです。

 盲腸で入院 2泊3日の場合
サンフランシスコ 2,199,000円 ニューヨーク 1.900.000円
ロンドン       1.330.000円        日本    300.000円
バンコク         352,000円
 物価の安いバンコクより安いとは・・まあ、これでもまだましなほうです。歯科の技術料などは、手作業、高コスト。でも、30分500円とかざらです。ただという作業もありますよ。(泣!)アメリカの20分の一より安かったりするし、歯科女医の時給も中州(博多のネオン街ですが)の姉さんとどっこいかな~・・・(失礼)
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 内館牧子さんのドラマで、女医さんが登場して、「昨日当直だったから、今日は非番なの~」
というのがあって、「ありえな~~~い!」とのけぞりました。
 とにかく、現場はぎりぎりです。マスコミが伝えないので、一般の人は知るわけがありません。それでいて、患者さんの医療に対する要求は、右肩上がり。私も人のことは言えません。
さて、ここで、出ましたよ。良書が!「三流になった日本の医療」若倉雅登 PHP
 若倉先生は、眼科医ですが、よくぞ書いてくれた、という本を出しました。(盲腸の比較も実はここからのぱくりです)
もうかなり、崩壊状態ですが、完全に崩壊する前に、なんとかしたほうがいいと思うのです・・だって、これは、病気になったら、明日はわが身にふりかかる危機なんですもの。本当のことを知ったら、もう、ガリ勉して、医者になる人減ると思いますよ~。やってられ~ん、とか言って。

「三流になった日本の医療」若倉雅登 PHP
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by urakawasika | 2010-01-29 00:12 | 医療人ねた | Comments(2)