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赤いブーツとセンター試験   

年末年始があっというまに過ぎてしまいました。
 成人の日も過去のものとなり、夕べからの福岡は、雪で交通が麻痺しておりました。

こんな風に、突然の寒波で雪がつもり、日常の生活が、非日常にうってかわってしまうと、なぜか、私は、赤い皮のブーツを思い出します。
私が中学3年生だった遠い昔のことです。

 
 たぶん、あの頃、今のように、ブーツなんて履いている人は、多くなかったように思います。いや、人生でほとんど初めて自分でブーツを選んだので、勝手にそう思っているのかもしれませんね。そう、私は、たぶん、デパートであのブーツに出会いました。膝下よりやや短めの赤い皮のブーツです。ハイヒールではなく、しっかり地面を踏みしめられるようなシンプルなデザインでした。中には、ボアが貼ってあって、履くと足からぽかぽかしてきそうな実用品です。実用品なのに、その形と色は、いかにも女の子受けするかわいさ。オレンジに近い赤色は、暗い冬を明るくしてくれるようにはずんでいました。

 私は、塾に行くとき、買い物に行くとき、雪でもないのに、よくそれを履いて出かけました。今考えれば、趣味が良いか悪いかよくわかりませんが、とにかく私は気に入っていたのです。

 その頃、15歳の私は、受験のクライマックスを迎えていました。私の第一志望は、私の母校九州歯科大学。高校の担任の密かな下馬評では、私は黒星。この偏差値では、無理。
世間は正月ムード全開でしたが、私はひたすら、年明け一発目の共通一次(その頃はセンター試験ではなくそう呼びました。)に戦々恐々と暮らしていました。

 今となればあまり覚えてませんが、特別な冬休みだったでしょうか

 そして、その共通一次当日がやってきました。その日、昨日から降り出した雪に、なんと、あたりは一変しました。どっさり雪がつもり、しんしんとした、二つの意味での非日常の朝です。雪とセンター試験(共通一次)。会場は、家から3キロほどある大学の教室でありました。父の車もスリップが怖くて出せないし、タクシーも、いつ来るかわかりません。

 しかたなく、私は、防寒装備を堅め、あの、赤いブーツで一人、受験会場へ向かいました。雪の日の空気感は特別です。雪に朝の光が強く反射して、世界は、まばゆいばかりです。私は、何を考えて一人歩いていたかまったく思い出せません。ただ、すべらないように地面を見つめて歩きました。私の視界にあの赤イブーツ。白い雪とは対照的な明るい赤。

なんとか、会場にたどりつき試験をうけました。その後の私は、今につながっていきます。下馬評ははずれ、私は、念願の歯学生になります。

 今でも、雪が降りつもると、あの赤いブーツが私の心によみがえってきます。もうあれから30年あまりが経ち、多くの記憶は失いましたが、そこからただひとつ、切り取ったかのような赤いブーツと白い雪。これは、忘れ得ぬ絵画みたいに、雪の日になると私の脳裏によみがえってきます。

 そういえば、今週末はセンター試験でしたね。雪が降らないことを祈ります。でも、そういうアクシデントも、30年たてば、印象深い思い出にもなるものです。みなさんがんばってね。


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by urakawasika | 2013-01-18 16:29 | さち先生ブログ | Comments(0)