年をとるってこういうことなのかあ!老化   

 娘が、めずらしく勉強しています。覗けば、日本の県の場所と県庁所在地ってやつを覚えておりました。
「お母さん言うてみ!」と挑戦してきたので、とりあえず、「沖縄は那覇やろ」と下から言ってやりました。しかし、島根は、え~っと・・・てな具合です。しかも、神奈川と埼玉と東京の位置関係が思いっきり間違っています。栃木、宮城、岩手、あてっこクイズはみごとにはずれ!やれやれ、昔からいつも間違うけど、まだ覚えてないんだな~、としみじみ情けなくなりました。

 年をとるってこういうことなのかあ!老化_c0219595_1504621.jpgでも、これは今に始まったことではなくて、過去に何度も間違っては確認したことでした。特に、埼玉、神奈川なんていうのは、うらかわ歯科にとって、患者さんの定番の転勤先です。時々、そうそうここここ、なんて具合に確認したことが幾度もあります。
 それなのに、あ~それなのに。やっぱり定着せず、今回も撃沈です。
 どうも、思うに、年をとってしまうと、昔間違って覚えたことや、思い込んだこと、というのが、パソコンで言う上書き作業が、がかなり難しくなるみたいですね。新しいことを、まっさらな脳に書き込むことも確かに難しいのですが、書き換え作業となると、べったりこびりついた鍋のコゲみたいに、古い知識が邪魔して、想像を絶する難易度になるようです。
 脳科学的に言えば、どうなるか、茂木健一さんにお聞きしたいくらい、どうなってんの?
 そういえば、私の夢に出てくる実家の風景は、実家を離れる前の古い立てかえ前のぼろ屋ばかりだし、ついでに言えば、診療の夢も、なぜか、20代の修行時代のものばかり。どうも、最近の新しい情報は、焼き直し不能のCDみたいに書き込み不可能のようにさえ思います。
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 なんてことを、同級生に話していると、大手保険会社に勤めている同級生も、語気を荒げて訴えます。
「保険会社に勤めて20年以上になると、ひとつの条項が過去に十数回変わっているのもある訳よね。そうすると、もう新しいのが何なのかさっぱり覚えられない。新人の子は、何せそれが始めてで、すぐに覚えちゃって、そんなこと知らないのですか?って顔をする。あたしにしてみりゃ、過去色々とすごい変遷をとげて、こうなっとるんじゃ!、その歴史を知っているものは、そう簡単にぬりかえられんのじゃ!と言いたい訳だけど、彼らにしてみりゃ、ベテランのくせにこんなことも覚えてないの、となるわけよ!」
なるほど。私だって、そういうのはかなり思い当たります。

年をとった人ががんこになる、って良く言われますが、それは、単純に、経験が彼らに信念を確立し、自分の意見をしっかり持つからだ。と漠然と思っていましたが、そういう立派なものではなくて、(それもあるでしょうけど) 単に、脳が新しい上書きを受け付けない、ということかもしれない、とわかりました。
 きっとそれがかなりの部分占めているのではないかと思います。自分が50へと向かっていくようになり、自分の体をもってして、良く納得ができました。性格ががんこになる、イコール、脳が単純に、新しい上書きをよせつけない、ということなのです。単純に老化の一つと言う訳です。難儀なことに・・・。

 せめて、神奈川と埼玉、栃木と宮城、岩手・・・ふん覚えてやろうじゃん!

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by urakawasika | 2010-01-18 01:37

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