つじ先生   

ニュースで流れる、幼児虐待の悲劇は、身の毛のよだつ思いがします。

 幼児虐待と並びふえているのは、DV(ドメスティックバイオレンス) 。
 長い臨床経験の中で、さち先生も患者さんの身の上に、そういうつらい出来事がおきて、そばで見聞きすることがあります。
 
DV夫の多くは、実はかなり名の知れた会社の辣腕営業マンだったり、社会的地位の高い職業だったりすることもまれではなく、DV夫が一歩家庭から外に出ると、評判の良い人で通っていたりする例もあり、家族の苦痛は想像を絶します。
 時には歯を折って歯科医院を受診されることもあります。幼児であれば、あざなどはないものの、異常に口の中が汚く、多数の虫歯があり、親の育児放棄を疑うケースもあります。

 DVは立派な犯罪です。家庭内のもめごとではすまされません。ドクターだって、それに直面した責任があるというものなのです。それなりの対応が望まれます。被害者を救済するべく公的機関と連携するなどは、初歩です。

 さて、山口大学時代の先輩である、山口で開業されている”つじ歯科医院の辻先生”は、そんな患者さんとの出会いから、今では、DV被害者救済の活動を始められて、九州山口地区では、かなり強いネットワークと行使力をもった団体「山口女性サポートネットワーク」を率いるリーダー的存在です。

 なかなか、普通の医者はそこまで行かないものです。自分が立ち会ったケースに、人間的にかかわっていくことだけでも、かなり高いランクと言えるので、それが、社会活動まで発展するというのは、そう多くはないのです。

 活動が実を結ぶためには、個人だけで動いてもなかなかうまくいきません。地域をまきこみ、行政をまきこみ、権力を握った中枢に対して働きかけなくてはうまくいきません。そのためには、かたや、裏づけとなる論文を書き、あらゆる機会をとらえて発表したりすることも大事です。それから、あらゆるロビー活動、活動費集め・・・・

 辻先生は、かなりそれらを戦略的にやっていらっしゃっていますが、そのモチベーションの原点は、あるDV被害の女性患者さんだったというので、人はぜに金だけで動くものではないということがわかります。

 ある面、医療とは、とてもパーソナルなものだけど、つきつめていくと、社会を変えなくては、どうしようもない枠みたいなものにぶつかることもあります。医療と社会は切っても切り離せないところがあるというわけです。

 だから、一診療から発展していって、そういうライフワークをもっているというのは、とても素敵なことだと思えます。 人生年をとっても、仕事をやめても、きっとやるべき仕事がたくさんあるのだと思います。
あなたの身近に、あなたの助けを必要としている身内や他人がきっといるのだから。

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近くの花屋さんのバーゲンのお花がきれいでした。
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by urakawasika | 2010-07-25 13:22 | この人語録

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