2011年 02月 11日 ( 1 )   

毛皮売りの男   

開業して18年も経つと、まあ、色々面白いことがあります。
110番通報するようなことも1回や2回ではありません。ネタだけは豊富です。

 寒いなー。久々に、毛皮の美女を見ました。そうだ、毛皮といえば、ありました。開業して5年くらいした頃です。

 昼休みに、院の階段を上ってきた体格の良い若い男性。急患かしら、と思うと、どうも様子が違います。彼は、突然こんなことを言い出しました。

 「あの、突然なんですけど、ものすごくお買い得な〇〇の毛皮があるんだけど、買ってもらえませんか。」
(何の毛皮か今となっては思い出せない。何だったのだろう)
 は~?何を言ってんのお??、
目を真ん丸くしている私の様子にひるむこともなく、男は続けます。

 「僕は、船乗りなんです。北海道の沖で、ソ連の船と物々交換したんですよ。福岡で毛皮屋探して買ってもらう時間なくて、ここで買ってもらうと助かるんだけど。7万でどうですか?たぶん、後日毛皮屋に持っていってください、倍にはなりますよ。ちょい持ってきます」

 彼は、駐車場に車を留めているのか、白い毛皮と焦げ茶っぽい毛皮を持ってきた。動物がペッシャンコになったような形に、きれいになめしてある。北国の動物らしく、かなり毛が密集している。素人の私が見ても、大きくて立派なものだ。

 私は、その瞬間、我が家の、安っぽい食卓の下に、この毛皮が敷かれている図を想像して、プッと噴き出してしまった。まるで、グリコのおまけを金のお盆に載せたみたいな座りの悪さ。
 次に、私がその毛皮で作ったコートをまとっている図が出てきた。またまたはげしく吹いてしまった。たるのような毛のかたまりの上に、でかい頭がのっていた。

 「これって密輸です?」
とおそるおそる聞いてみた。彼はまったく平然としている。次の瞬間、西日本新聞の一面に、毛皮密輸の手助けをした歯科医捕まる。という記事が頭に浮かんだ。私が、うなだれて毛皮といっしょに記念撮影されている。

 7万円が14万円になるのか~・・・と気持ちが一瞬ゆれた。
しかし、次の瞬間、希少動物が絶滅するのも、こんな感じなのか。けしからん!とえらそうに憤慨し、妄想が終わった。

 男には申し訳ないけど、密輸の片棒担ぎでしょっ引かれるのもいやだし、毛皮に見合った食卓もないし、毛皮商にコネもないので、丁重にお断りしました。

 未だに毛皮を見ると、あの見事な毛皮を思い出します。結局誰のものになっているのだろうか・・・
あ、もし、毛皮売りの彼、ブログ見てたらその後を教えてくださいね。 んな訳ないか・・


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by urakawasika | 2011-02-11 00:49 | うらかわ歯科エピソード | Comments(4)